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セニングの話①クシ刃の形状 [ハサミの話]

今日はセニングのクシ刃の形状のお話をば。

まず、大別すると
「溝ありタイプ」と「溝なしタイプ」に分かれます。

これは溝ありタイプ

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セニング率が一定で表され、閉じて抜く使い方をします。

これらが溝なしタイプ

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セニング率に幅があり、腕の動かし方などでセニング率を調節することができます。


一般的に、溝ありタイプが基本セニングです。
理由は、セニングは毛量を調整するために使われるのが主で、セニング率が一定している溝ありの方がメインになっています。
主にニュアンスを出す用に使われるのが溝なしタイプです。
フリーハンドで使えて、セニング率も調節できるので、幅広タイプになると毛量の調節から質感の調節まで使えます。

じゃあ溝なしタイプがいんじゃないの?

と思われそうですが、初めからフリーハンドで練習しませんし、耐久性が溝ありタイプに劣ります。
また、使ううちにパクリやすくなりますので、使い分ける方が賢明です。


溝の形状からV溝 U溝 L溝 とあります。

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画像は厳密にいうとU溝になりますが、これもV溝と称します。

20150622セニング06.jpg


こちらがL溝タイプ(Lは逆Lですね。)

かつてはV溝(厳密にいうとU溝の仲間?)のセニングだったのですが、10年ほど前よりL溝タイプに変わってきました。

V溝は溝に髪をとらえて切るのに対し、L溝は若干逃がしながら切ります。
そのため、V溝よりL溝の方が柔らかく切れるのです。
その振動の違いは、当然カットされるお客様の頭皮に響きます。
またその振動は腱鞘炎の原因になることもありますので、より柔らかく切るという行為は、自然な進化だと思います。

また、V溝はそのクシ刃が最初にあたるところの髪の毛をつかむため、ラインが片面につきやすいです。
L溝は逃がしながらとらえるという形状の為、カットラインが目立ちにくい利点もあります。

 

oyaba.jpg
この形状、溝ありタイプ?溝なしタイプ?どちらだと思いますか?

答え。

溝なしタイプです。

形状が逆Lに見えるので、「L(溝)タイプ」と呼んでいるハサミ屋さんがいらっしゃいます。
(呼び名はメーカー毎ちがうことは多々ありますよ)

セニングを見るとき、まず一番に理解するべきは 溝ありか溝なしか です。

これは赤い線が重要で、その部分がフラットであれば、溝なしタイプになります。

緑の○で囲んだ部分は「ガイド」になっていて、棒刃を受け入れるためのものです。


さて、そこでこれは??
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うちでは溝ありタイプのカテゴリーに入れているNSH14Mのクシ刃のアップです。

通常のL溝より、溝が浅くないですか?




20150622セニング06.jpg

↑通常のL溝

このため、溝ありでありながら溝なしの要素を持ち合わせているのです。
今このタイプのセニングが流行っています。
「ハサミセニング」とも言われます。


フリーハンド気味で使えて、ある程度セニング率を調節できます。
量も梳くこともできるので、刈り上げのぼかしにも使えます。
重宝されることが多いアイテムです。

 

カットシザーに比べて、違いが分かりやすいのもセニングです。

いろいろ試してみてくださいね。

 

 

ではでは今日はこの辺で!

















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